やる気を起こさせるために「アメ」と「ムチ」は必要か? パート1(全2回)
少し前に、プロ野球会の話題で、「エラーしたら罰金(ムチ)」や「円陣で声出しを担当して、勝ったらご祝儀(アメ)」などの行為が問題になり、世間を騒がせていました。
また、スポーツ界や教育現場などでは、体罰(ムチ)の問題が度々話題になっています。
これらの問題の良し悪しについては、色々な考え方があると思いますのでここでは触れません(>_<)
ただ今回は、これらの問題と関係がある、『やる気を起こさせるのにアメ(報酬)とムチ(罰)は必要なのか…?』を、テーマに簡単に書いてみたいと思います。
1、アメとムチは、同じカテゴリー!?
アメとムチは反対のことだと思われがちですが、実は『外発的動機付け』という同じカテゴリーになります。
『外発的動機付け』は、外から受ける刺激が行動の動機きになるものです。
例えば、「ご馳走がもらえる(あめ)から宿題をやる。」とか「怒られる(ムチ)から宿題をやる。」というのが『外発的動機付け』になります。
2、外発的動機付けの特徴
この『外発的動機付け』の特徴は、エスカレート性です。
まずは、アメの場合のエスカレート性を説明します。
宿題をやらない子供に「宿題をやれば、ジュースをあげるよ!」と言って宿題をやらせたとします。
最初は、ジュースをもらえれば喜んで宿題をやるかもしれません。
しかし、何度もジュースを貰っていたらどうでしょう?
ジュースに慣れてしまい、ジュースぐらいではやる気が出なくなり宿題をやらなくなります。
そこで、ジュースにケーキを付けます。
すると、ジュースにケーキが付くならと、またやる気を出して宿題をやります。
しかし、何度もジュースとケーキを貰っていたらどうでしょう?
やはり、ジュース、ケーキにも慣れてしまい、宿題をやらなくなってしまいます。
そこで今度は、ジュース、ケーキにアイスクリームを付けます。
すると、またやる気を出して宿題をやります。
もう分かると思いますが、ジュース、ケーキ、アイスクリームにも、そのうち慣れてしまいやる気が出なくなります。
これがエスカレート性です。
外発的動機付けでは、刺激を強くしていかなければ、やる気を継続して起こさせることが出来ません。
そして、外発的動機付けのムチが、スポーツ界や教育現場で問題になっている、体罰の原因の1つと言ってよいかもしれません。
例えば、宿題をやらない子供に「宿題をやれ!!」と怒鳴ると、『やばい…怒ってる』と思い、宿題をやります。
しかし、何度も怒鳴っていると、『また怒鳴ってる』ぐらいで、やはり慣れてしまいます。
そこで、近くに置いてある椅子などを蹴っ飛ばして「宿題をやれ!!」と怒鳴ると、『今回は凄く怒ってる』と思い、宿題をやります。
しかし、これも何度もやっていると慣れてしまいます。
そこで、近くに置いてある椅子を蹴っ飛ばして「宿題をやれ!!」と怒鳴りながら、殴らないといけなくなり、体罰につながるわけです。
3、外発的動機付けの反対
『外発的動機付け』の反対は『内発的動機付け』になります。
『内発的動機付け』は自発的に行動するものです。
例えば、「知りたいから宿題をやる。」とか「賢くなりたいから宿題をやる。」ということです。
4、内発的動機付けの特徴
『内発的動機付け』は、強力に行動を起こす動機になります。
そのため内発的動機付けさえ起これば、勝手に一人で行動を起こします。
みなさんが楽しみでやっていることはありますか?
例えば、ゲームをする、釣りをする、スポーツをする、コンサートに行く、などです。
自分の楽しみでやっていることなので、他の人に褒められようが、怒られようが関係ないく、行動すると思います。
楽しいからやる、やりたいからやる、これが内発的動機付けの特徴です。
指導者(コーチ、先生、親など)は、この内発的動機付けを起こさせることが出来るかが、指導のカギになります。
今回はここまで。
『外発的動機付け』と『内発的動機付け』があり、各特徴は分かって頂けたでしょうか?
次回は、『内発的動機付け』から『外発的動機付け』に変える方法と、『外発的動機付け』から『内発的動機付け』に変える方法を、書きたいと思います(^^)v
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