肩周りの症例

  

症例⑩ 投球動作のコッキング期の痛み

患者

 2020年 4月来院  10代 男性

頻度 / 通院回数

 週1回 /  10回

症状

高校の野球部で頑張っていたが、3ヵ月前(1月)から投げる動作のコッキング期(腕を後ろに回すとき)で痛みが現れる。

センターを守っているが、痛みが強くなってきてホームまで球を投げられなくなる。

1ヵ月前(3月)にはキャッチボールができなくなり整形外科を受診。

医師に「骨には異常がないので、1ヵ月間安静にしていてください。」と言われてシップを貼って安静にしていたが何も変わらず、そのうち夜寝ていても痛みが出始める。

家の近くの接骨院に行って2回マッサージしてもらったが余計に痛くなり、どこか良いところはないかと探していたところ、当院を見つけて来院されました。

患者さんは「コロナウイルスの影響で5月いっぱいまで部活がないので、その間に施術を行い送球できるようになりたい!」ということでした。

施術と経過

腕を挙げたり、回したりしてもらうと、可動域が狭く痛みが出ていた。

特に、コッキング期の動きを行うと痛みがひどい。

また、夜寝ていても痛みがある(夜間痛)ということで、かなり辛い状態でした。

1回目の施術は、特に痛みの酷い肩の動きの方向に対して施術を行いました。

動きが施術前よりも良くなったことで良くなるという希望がうまれ、患者さんの顔が明るくなったところで、1回目の施術を終了しました。

これまでは全く良くなる兆しが無かったため、患者さんは不安になっていたようです。

さらに、2回目の施術前には夜間痛も無くなったという報告を受けました。

5回目の施術後には私生活に支障がなくなりましたが、まだキャッチボールができない状態だったので、さらに施術を続け7回目の施術後にはキャッチボールができるようになり、10回目の施術後には全力で送球できるようになったため、全体の施術を終了。

無事、部活再開に間に合いました。

現在は、また肩が痛くならないように、そして身体能力を上げる「コンディショニング」に移行しています。

まとめ

最初は、肩の痛みが三角筋の前面に出ていた。

痛みと原因の部位が一緒だと考えていると、三角筋前面とその近辺のみに施術を行ってしまいます。

今回、整形外科、接骨院では痛みの出ている部位にのみ施術を行っていたため、効果が出なかったと考えられます。

施術は、脊柱沿いや背中、手のツボを使い、診察から本当の原因と考えられた脊柱の動きを良くしていきました。

その間、痛みは三角筋の前面に出たり、後面に出たりと移ったのですが、このことからも、肩の痛みの原因は痛みが発生している部位ではないことが分かります。

症状が強かったですが、痛みにとらわれずに動きを良くしていくことで改善した症例でした。

使用したツボ

足太陽、申脈、T3(1)R、T7(1)R、T4(1)L、六谿

症例⑨ パワーリフティング選手の肩の痛み

患者

 2020年 3月来院  40代 男性

頻度 /  通院回数

 月1回 / 2回

症状

2、3年前からパワーリフティングの選手として、練習を頑張っている。

お仕事が運送業なので、スポーツでもお仕事でも重い物を運んだり持ち上げたりしているため、それが原因で症状が出たのではないかとご本人様は考えている。

痛みは、肩の位置を下げたとき、ベンチプレスでバーを下げて胸を開いたとき、結滞動作(腕を下から後ろに回す動き)、スクワットでバーを担いだとき、に肩の前面に出る。

安静にしていると痛みは出ない。

痛みを我慢して練習している状態なので、練習で我慢しなくてもよい程度に回復できればということで来院されました。

施術と経過

動きを改めて確認すると、結滞動作と腕の回内動作で痛みが強く出ていたので、その動きに関係する手と脊椎のツボに刺鍼しました。

かなり良くなったが改めて動きを確認すると、腕の水平内転の動きが悪く大胸筋上部に張りがあることに気付いた。

そこで、大胸筋上部のツボに刺鍼。

肩の動きが良くなり、痛みもほぼ出なくなったので施術を終了しました。

その後、1ヶ月以上良い状態だったが、2ヶ月後に痛みが少し出たので再来院され施術を行い、4月現在では調子が良いようです。

まとめ

いつも重い物を持っているため手に強ばりが出ていた。

手と脊椎は深い連動性があるため、手の強ばりが脊椎に影響し、脊椎と連動して動いている肩に問題が起きたと考えられる。

その為、手と脊椎のツボに刺鍼することで動きと痛みが改善しましたようです。

重い物を持ったり、手を良く使うことが多い人に良くある肩の症例でした。

使用したツボ

六谿R T6(1)R 漏谷R 大胸筋上部R

症例⑧ 手術後の投球時(コッキング期)の肩の痛み

患者

 2020年 3月来院  10代 男性

頻度 / 通院回数

 週1回 /  3回

症状

小学生の頃から野球をはじめ、中学生のときに腰痛で当院を受診。

現在は高校生になり甲子園を目指して九州の高校に入学して、日々トレーニングを頑張っている。

高校生になってから肩の調子が悪くなり、整形外科を受診したところ、生まれつき肩にある靭帯の1つがないという事が分かった。

そのため、高校二年生の秋(2019年9月)に右肩の靭帯を補う手術を行う。

手術自体は上手くいき、リハビリも行い退院したが、球を本気で投げようとすると肩に力が入らなくなり投げられない。

キャッチャーをやっているが、2塁まで投げられないため、学校のトレーナーに治療してもらったりしていたが良くならない。

どうしたら良いか分からなくなっていたが、とある事情で広島に1ヶ月間帰ってくることになったため、この期間に当院で施術を受けたいと、受診してくれました。

施術と経過

シャドウ(投球動作)や、ゆっくり投げれば痛みは出ないが、思いっきり投げると肩の前面に痛みが出てまともに投げることができない。

投球動作の中で、腕を後ろに引いたとき(コッキング)に痛みがでる。

肩の可動域や動きには問題なかったが、触診すると張っていて押すと痛みが出るポイントがある。

痛みが出るポイントに関係した背中のツボに鍼を打つと、肩の痛みと回したときの感覚が変わったので、1日目の施術は終了。

2回目の施術までに、キャッチボールなどをして状態を確認してもらったところ、かなり思いっきり投げれるようになったそうです。

2回目の施術以降は、思いっきり投げれるようになり、様子見として3回目の施術を行い、全施術を終了。

その後、九州に帰り、しっかりと練習できているということです。

まとめ

痛みは肩の前面に出ていましたが、その痛みが投球動作の腕を後ろに引くコッキング期のときに出ていることと、触診による張りと痛みのあるポイントが肩甲骨と背骨の間にあるツボと連動していることから、原因は背中側にあると考えました。

そこで、背中にあるツボに刺鍼を行いましたが、狙い通り良い結果が出ました。

体の前と後ろの関係をみれたことが、効果的な施術につながった症例でした。

使用したツボ

 T5(2.5)R T2(2.5)R T4(2.5)R 巨骨R

症例⑦ 肩に衝撃を受けてから腕を動かすと痛い

患者

20代 女性

来院

2016年 8月

症状

女子ラグビーの練習試合中に、相手チームの選手の膝が肩に当たり『グギッ』という音がして亜脱臼の様な状態になる。

肩関節の間に何かが挟まったような違和感が出たため、自分で肩を回してみると違和感はとれたが痛みが発生し、腕を上げたり回したり出来なくなる。

整形外科に行き、レントゲンを撮って診察をしてもらい、先生からは「骨には異常がないですね。」と言われ、炎症止めを処方される。

それから3日ぐらいたち、じっとしている時の痛みは軽減したが、腕を動かすと相変わらず痛みが出る。

4日後に大会があるため、少しでも良くなればと来院されました。

治療と経過

来院されたのが、怪我をして3日後だったので、少しだけ炎症が残っている感じでした。

また、腕の動きもあらゆる方向に痛みが出て可動域を制限していました。

そこで、①腕を動かしたときに強い痛みが出る方向、②ラグビーをプレーするうえで動いて欲しい方向、の可動域を広げることを治療方針としました。

施術後は、痛みは多少あるものの、腕を上げる動き、開いたり閉じたりする動きが良くなり、手を付いて体重をかけても痛みがあまり出なくなりました。

大会にもどうにか出れる状態になり、施術はここで終了。

後日、大会に無事に出場し、肩の状態も自然と良くなってきているので、経過観察になりました。

使用したツボ

足太陽L 地天L 孔最L 魚際L

症例⑥ ゴルフスイングで出る腕の痛み

患者

60代 男性

来院

2015年 7月

症状

15年ぐらい前に、現場で作業中に太いワイヤーが跳ねてきて、背中に当たり負傷しました。

そのケガ自体は治ったのですが、右肩に違和感が残る。

それから、何年かして右腕が真横までしか上がらなくなり、マッサージ店や接骨院、整形外科などに行ってみたが、ほとんど効果がない。

とりあえず、仕事はできるし『まぁ良いか…。』とほっておいたが、大好きなゴルフが上手く出来ないし、私生活でも支障が出始めたため来院。

真横から腕を上げると90度のところで肩の前あたりに痛みが発生し、後頭部を触るような動きが出来ない。

治療と経過

肩が上がらない原因は色々と考えられたが、背中にワイヤーが当たり何年間も違和感があったことに注目しました。

そこで、背中の辺りに異常がないかを触診により確認、胸椎に捻じれがあり、その辺りが原因の可能性があると考えられたため、そこに施術を行いました。

施術直後から腕が真横より45度ぐらい上がるようになったため、この日は終了しました。

一週間後に来院していただき状況を確認すると、前回の治療後と同じ状態を保っていたため、同じ施術を行いました。

更に、腕の上がりが良くなり、2回目の治療を終了。

3回目の施術のときには、患者さんの腕の可動域が回復したため、治療を終了しました。

症例⑤ クーラーの風などによる痛み

患者

30代 女性

来院

2016年 

症状

来院の2週間前、仕事中に後ろからクーラーの風を首や肩に直接浴びてから肩が痛くなり、その後、頭痛も起きるようになる。

後頭部から肩甲骨にかけてライン状に痛みがでて、首の可動域も悪く、肩も重い感じがする。

治療と経過

クーラーの風を直接受けて冷えて筋が固まり血流が悪くなったことで、痛みと可動域の制限が起こったと考えられる。

そのため、肩周り、首周りの可動域を広げることで筋の動きを良くし、血流を回復させることで症状の改善を狙いました。

肩周りの動きを良くするために、肩の動きに関係の深い骨盤周り(仙腸関節)の動きを整え、頸の可動域に関係する胸椎のツボの調整を行いました。

施術後、首・肩の可動域が改善し、首の痛みが軽減したので、初回の施術はここで終了しました。

その後、2回ほど通院していただき症状が改善しました。

症例④

患者

30代 女性

来院

2014年 11月

症状

中学生の頃から肩こりに悩んでいる。

慢性的に重だるく、月に2回程度、頭痛が起きる。

少しでも楽になればと、来院されました。

治療と経過

肩甲骨の下部は問題ないが、内縁~上縁、また頸部(首)の強張りが強かった。

そのため、緊張性頭痛などが引き起こされていたと、考えられた。

施術は、肩甲骨周り、胸部、頸部、また肩の動きに関係の深い骨盤周りの動きを良くする活法(整体)を行う。

施術後、肩が軽くなり頭がスッキリした感じがするとのことでした。

その後、慢性的な肩こりは、少しずつ改善してきているとのことです。

症例③

患者

 30代 男性

来院

2014年 11月

症状

2カ月前から、背中の肩甲骨の間が痛くなった。

特に右側がジクジクと痛い。

休んだり、お風呂に入るなどして温めると、楽になる。

力仕事を始めた時期と重なるため、それが原因なのではないかと本人は考えている。

まだまだこの仕事を続けないといけないため、治療とこれから先の予防も考えて来院される。

治療と経過

背中の肩甲骨の間が固くなり盛り上がっていたため、筋をほぐすことを目的で10分程度3Hzで鍼通電を行う。

その後、頸部(首)、肋間、肩甲骨周り、骨盤周り、胸部の動きを良くする活法(整体)を行う。


力仕事で手を握ることが多いため、手の平の筋も緩める。

施術後は、肩周りが軽くなり、肩甲骨の間の張りがとれる。

後日、仕事をしていても動きが良くなり、楽になったということです。

症例②

患者

30代 男性

来院

2014年 5月

症状

10年以上も前から抱えている、慢性的な肩こりで、特に右肩が重だるく痛みが酷い。

仕事でパソコンを使うことが多くなり症状が悪化し、頭痛もたまにある。

治療と経過

長時間のパソコン仕事の影響か、手のこわばりと前腕の筋の張りが強く、肩甲骨の動きも悪いため、肩関節がスムーズに動かなくなっている。

また、ストレートネックになっているため、肩に負担がきていると考えられた。

まず、活法(整体)により、ストレスネックの調整、肩から腕にかけての動きと連動性を上げる手技を行い、動きが7割改善した。

次に鍼を、肩甲棘の中心の上部と下部の筋に刺入し鍼通電お行い、重だるい症状が9割改善した。

その後は頭痛もなく、月に一回の予防治療に来ていただき、慢性的な肩こりの症状は出ていない。

症例①

患者

40代 男性

来院

2014年 9月

症状

急に、右腕が肩より少し上までしか上がらなくなり、それ以上動かすとズキッと痛みがでる。

患者本人は、力仕事やスポーツなどをして痛めたわけではないため、何が原因か分からない。

マッサージ店や接骨院に通い、施術をしてもらったその時は良いのだが、直ぐにもどってしまう。

何か他の治療法はないかとインターネットで調べて、他ではやっていない整体ということで、来院をされました。

治療と経過

 鍼治療はしたくないということで、活法(整体)だけで治療を行う。

頸部(首)、肩関節自体、肩甲骨、胸部の動きを良くする施術を行い、腕が上まで上がるようになる。

痛み自体は2割程度残っているが、腕は通常通りに動くようになっため、様子をみることに。

次に来ていただいたときには、痛みも気にならない程度に落ち着いた。

その後、もう一度来ていただき、その時には痛みも可動域も良好だったため、治療を終了しました。