耳の不調 症例18

症例 突発性難聴と起き上がれないほどの「めまい」

症状

来院の約1ヵ月前、突然右耳が聞こえなくなる。

さらに、めまいが酷く、回転性のめまい(ぐるぐる)が週2~3回起こり、半日~一日中続く。

そのため、仕事に支障が出ている。

低音の耳鳴りもあり、日に4~5回、10分間ぐらい継続する。

めまいで仕事もままならないため、すぐに病院で診察を受けたところ「突発性難聴」と診断された。

病院では薬(ステロイド系)を投与され服用したが、少し回復するも仕事にはまともに復帰できない状況。

他に治療ができないかと探していたら、母親に当院が良いのではないかと紹介され来院された。

施術期間

2025年 6月

患者

30代 女性

通院ペース

週2回

通院回数

10回

施術と経過

問診では、4年前から軽い「うつ症状」があり睡眠導入剤を服用していること、下痢をしやすということなどが分かった。

「これまでに、強いストレスを感じたことはありますか?」と質問したところ、ご自分では「ストレスは感じたことがない…。」ということでしたが、触診でお腹や肩・首にあきらかに筋肉の緊張がみられ、ストレスによる自律神経系の乱れが予測された。

また、右側の顎の動きも良くないことも分かりました。

症状と状態から、緊張状態にある体をリラックスさせ、自律神経を調整し、内耳の血流改善のポイントである顎の調整を行っていく、という治療方針を立てました。

【初回の施術】
緊張状態の強い、首周り、肩周りのコリを背中のツボに鍼を打ち緩めました。
首周り、肩周りが軽くなり動かしやすくなったようです。

次に、お腹を触診して「痛み」「不快感」などがあるポイントに効果のあるツボに鍼を打ち、痛み、不快感をとっていきます。
これにより、自律神経が調整されます。

最後に、顎の動きに効果のある手のツボに鍼を打ち、顎の動きを改善しました。

【1回目の施術後】
「めまい」の時間が少し短くなり、「耳鳴り」の強さが弱くなったが、「聴力」には変化がありませんでした。

【3回目の施術後】
「聴力」がイヤホンで音を聞くと少し聞こえるようになり、「めまい」の頻度が減り
、発症している時間も3時間ぐらい短くなったようです。

【4回目の施術後】
病院で聴力検査を受けたところ、80㏈(デシベル)→50㏈まで聞こえるように回復し、「めまい」が回転系からフワフワ系に変化し、「耳鳴り」が消える

【5回目の施術後】
「めまい」がなくなり、聞こえもかなり良くなる。

【7回目の施術後】
病院の聴力検査で通常の聴力に回復したという診断を受ける。

その後、施術間隔を徐々に空けていき、症状が1ヵ月以上再発しなかったため10回目の施術で、治療を終了しました。

6月 検査結果

9月 検査結果

使用したツボ

内谷、養老、三陰交、曲池など

まとめ

ご自身は感じていなかったようですが、かなりのストレスが掛かっていたようです。

ストレスが常に掛かっていると、それが普通の状態になってしまい『ストレスが掛かっていて、しんどいな~。』という感覚がなくなってしまいます。

今回の患者さんも、知らず知らずのうちに体を痛めていたようで、それが自律神経と耳に悪い症状として出てしまったようです。

「難聴」と「強烈なめまい」で大変心配で不安になられていましたが、症状が出て直ぐ来院していただいたこともあり、順調に回復されました。

自分では分からない過度なストレスが影響した症例でした。